友達づくりに武術はオススメです。京都にある道場でブラジリアン柔術の練習を通して友人ができました。
写真はライン1本目を取得した時のものですが、帰国前には2本目をいただきました。
フルブライトストーリー
No.38 ケイティ・ウー
「言葉の壁は問題ではない」——京都でのロボット工学研究と自己発見
2019年9月、フルブライトフェロープログラムで京都大学に留学した。最初に日本を訪れたのは Brown University (BU) 2年生終了時の夏、2ヶ月間インターンシップで日本に滞在したときだった。このとき出会った同じ大学出身のフルブライターからフルブライト・プログラムを勧められ、帰国後に早速申し込んだ。大学最終学期にフルブライトの合格を知り、既に決まっていた Princeton University Graduate School への進学を1年延期して日本へ飛んだ。
京都大学では最先端のロボット工学を研究するメカトロニクスの研究室に入り、蛇の動きを模倣する水中ロボット制御の研究チームに所属した。「蛇ロボットは独特な形状をしているので、人が入れないような狭い空間での捜索や救助活動に適しています。便利な反面、制御するのは非常に難しいのです」と熱心に語る。さらに「京都大学でのロボット工学研究は様々なトピックを扱っているので、とても興味深かったです」と続けた。もともと動物の動きを観察することや、その動きをロボットに取り入れることに関心があったので、BU では蝿や蜂の飛行を分析し、それをロボットへの応用に取り組んでいた。
「日本最高のロボット工学研究室に受け入れて頂き、貴重な経験が出来ました。研究の種類や指導教授によって研究方法が異なるので、教授の指導方法はとても勉強になりました」と振り返る。京都大学で授業を日本語で受けたのも新鮮で興味深い経験だった。学ぶ内容は使用言語が違っても変わらないということに面白さを覚えた。「研究は正に国際的な追求であることを再認識しました。解決すべき問題があれば、世界中にその問題に取り組む研究者がいます。国際会議を通して、国境を超えて問題解決に協力し合うことが出来るのです」
研究以外では、日本語独特の書き方と武術に興味を持っていた。高校では第二言語として日本語を学び始め、大学に入ると合気道を始めた。フルブライトフェローとして来日してからは、書道とブラジリアン柔術を始めた。週に何回かブラジリアン柔術の道場に通って練習に励み、二本のラインを授与された。「趣味を通じて多くの人と出会い、友達にまでなれました。十分にコミュニケーションを取れ、楽しく過ごせました。国や言語の違いは障害ではなかったです」
新型コロナウイルスの世界的感染拡大のため、フルブライト奨学金期間は短くなってしまったが「私はフルブライトフェロープログラムを通じて、異文化を理解できただけでなく、自分自身のことも知ることができました。また、科学技術についてもまだ知らないことがたくさんあることに気が付きましたので、是非応募を勧めます。フルブライトのようなプログラムを通して、世界中の研究者がより一層コミュニケーションをとるようになれば、異文化理解だけでなく科学の発展にも貢献すると思います」と語る。
将来、自身の研究プロジェクトやフルブライトの経験がどう活かされるか「Princenton University の Mechanical and Aerospace Engineering Department 博士課程の学生として、さらに成長していけることをとても楽しみにしています」と締めくくった。